福岡市薬剤師会が「節薬バッグ」運動
福岡市の薬剤師会が進めている「節薬バッグ」運動のことを知り、とても感心しました。どこの家にも飲み残したままとなっている薬がたくさんあることと思 います。先日、部屋のかたずけをしていましたら、風邪薬、降圧剤、胃薬のほか何の薬かわからない錠剤などが山のように出てきました。古い薬もあって、飲む のはちょっと躊躇しますし、かといって捨てるのもどうかな、というわけでそのままとなっています。
余った薬を有効利用
「節薬バッグ」運動はこうした家庭を対象に余った薬を有効に利用しようというものです。家庭に残っている薬(残薬)を、バッグ等に入れて会員薬局に持っていくと、薬剤師が適正な「くすり」の量になるように調整してくれるというものです。福岡市の薬剤師会がこの運動を始めたのは2年前ですが、その背景には膨大な薬の無駄があります。
飲み残しの薬、年500億円規模に!
日本薬剤師会によると、処方薬の飲み残しは金額にすると年500億円規模と推計されるそうです。福岡市薬剤師会と九州大学の共同研究によると、各家庭に残された処方薬の8割ほどは活用でき、全国で取り組めば3300億円の薬剤費の削減効果が見込めるといいます。それにしても大変な無駄をしているわけです。
全国レベルの運動に期待!
飲み残しの放置は思わぬ事故を招く可能性もあります。処方薬は医師の診断なしに勝手な判断で飲むことにはリスクがつきまといます。特に高齢者の場合、その可能性は一段と高まります。いろいろな薬があると、飲むべき薬を間違えることがあるからです。この運動は今のところ、福岡市だけのようですが、ぜひ全国レベルの運動にしていただきたいものです。