「世界一美しいボルドーの秘密」の監督が来日
ボルドーワインの厳しい実情に迫るドキュメンタリー『世界一美しいボルドーの秘密』が近く公開されるそうです。今では日本でも良く知られていますが、中国を筆頭とする新興国の富豪たちによって、ボルドーワインが凄まじい価値まで押し上げられた状況を伝統あるボルドーのシャトーたちは打破できるのか?というのが テーマのようです。先月、映画製作者のワーウィック・ロス監督が来日し、都内・六本木のワインバーで開催されたトークショーに出席、ボルドーワインの危機を語っていました。
今や1本100万円のワインも!
このトークショーで監督は「ワインの投資化はもはや避けられない事実。一 本100万円もするワインを投資目的で買い占め、箱も開けず、ラベルも見ずに、利益だけを追求する」と富豪たちによる買い占めを批判しています。小生がこ の映画に関心を持ったのは、実は20数年前、新聞記者時代にボルドーにワインの取材に行ったことがあるからです。
毎日のシャトー巡りで試飲を体験!
見渡す限り美しく広がるブドウ畑を今でも鮮明に覚えています。1週間くらいの滞在期間中、毎日、シャトー巡りをしました。同行したのは日本人のバイヤーらでシャトー・ラフィット・ロートシルト、シャトー・マルゴー、シャトー・ラトゥールなどのボルドーを代表するシャトーを回りました。ボルドー産の赤ワインに使用されるブドウは、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルローといった品種が中心で、樽詰めしている若いワインを試飲しました。
ワインの歴史と文化の重み知る
初めての経験でしたが、試飲用のワインは非常に酸っぱくて、とても飲めたものではありません。口に含み味わった後、飲まずに吐き出すのです。プロのバイ ヤーはこの若いワインが数年後に熟成した時、どのくらいの価値があるか、判定し値段を付けるわけです。ワインの奥深さと歴史の重みを知りました。そうして できたワインが今や投資の対象にされているわけです。アジアの成金が群がるボルドーワインの将来がどうなるか、興味が尽きません。