その内容とは、ご主人がまだきちんと意思能力のある時期に、ご主人と相談して生前にご主人の定期預金を奥さんの名義にしておくことです。
贈与ではなく、あくまでも名義預金です。
一般的には名義預金はいけないものといわれてますが、次のことを厳守すれば大丈夫のようです。
1.相続時には、奥様の名義でもご主人の相続財産として申告する。
2.名義預金の出納帳をつける。(ご主人のための使途であること)
なぜ、この名義預金が使い勝手がいいかというと、これをしていなかった場合、たとえば、ご主人が認知症になったため、介護費用にあてるため、ご主人名義の預金を引き出しに行ったら、銀行員の方から『家庭裁判所で「成年後見人」に選任してもらってください』と言われ、預金を引き出すことができなかった、などということがあります。
しかしながら、成年後見人を立てると家裁との手続きなど結構面倒なことになります。
ところが、名義預金となっていれば、銀行側からすれば名義は奥様のものですから奥様が自由に出し入れできることになります。ご主人が介護施設に入ろうという場合の高額の出費も自由にできる訳です。
ただし、年金の受け取り口座のような普通預金口座は変更せずそのままにしておきます。
こちらは、キャッシュカードで出し入れが可能です。
名義預金にしておくことで、実際にご主人が亡くなった相続後の、面倒な預金名義変更の手続きも不要となります。
ちなみに、専業主婦のへそくりも名義預金です。相続時には相続財産に加えられます。時効はありません。