知っておくべき住宅ローン団信加入の知識
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団信の加入が融資の条件
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団信とは住宅ローンを借りている人が死亡した、あるいは高度障害状態になった場合、生命保険会社から支払われる保険金によって住宅ローンの残債務がゼロになる、一種の生命保険です。
通常の生命保険の加入に比べると、団信には加入しやすいと言えるのですが、加入時に告知する必要のある内容、例えば過去3年以内の手術や2週間以上にわたる治療や投薬の内容によっては、加入が難しい場合があります。
大部分の金融機関では、団信に加入することを融資の条件としています。つまり、団信に加入できなければ住宅ローンを借りるのは、かなり難しくなります。その場合、住宅ローンを借りるには主に次の2つの方法が考えられます。
ワイド団信を利用する
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1つ目の方法は、引受条件緩和型団信(ワイド団信)を利用することです。ワイド団信とは、通常の団信の加入が難しい人でも加入できる場合がある、加入条件が緩和された団信です。
ワイド団信のデメリットとしては金利が高くなることが挙げられます。金融機関によっても異なりますが、適用金利に0.2%~0.3%上乗せされるのが一般的です。
ワイド団信が利用できる主な金融機関としては三菱東京UFJ銀行・みずほ銀行・りそな銀行・三菱UFJ信託銀行・ソニー銀行などがありますが、利用できない金融機関もまだ多いため、希望の金融機関で利用できないこともあるでしょう。
団信に加入せずに住宅ローンを借りる
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もう1つの方法は、団信への加入が必須ではない住宅ローンを選ぶことです。例えば、住宅金融支援機構と民間金融機関の提携により提供されている「フラット35」は団信に加入しなくても借りることが可能です。
また、金融機関によっては住宅ローンを申し込んだ人が団信に加入できない場合、連帯保証人を立てることを条件に融資可とすることもあります。
ただし、団信に加入しないで住宅ローンを借りると、万一の場合、遺族のローン返済が困難になりかねません。既に加入している生命保険の保障額を確認し、残された配偶者の給与と公的な遺族年金を想定した上で、万一の場合、ローン返済と生活費のカバーが可能かシミュレーションを行って判断することが大切です。
複数の金融機関で申込んでみる
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もし1つの金融機関で団信に加入できないという結果になっても、この2つの方法を検討する前に、他の金融機関への住宅ローン申込みも検討してみましょう。金融機関により団信を引き受ける保険会社は異なるため、審査の結果も異なることがある、つまり他の金融機関で団信に加入できることもあるためです。
住宅ローンを借りようとして団信に加入できなかった時には、ぜひ、これらの方法を思い出してみて下さい。住宅ローンに詳しいファイナンシャルプランナーに相談し、どの金融機関がよいかアドバイスを受けるのもよいでしょう。